食事療法は、自分の適正エネルギー量を知り、その範囲で栄養バランスを考えてさまざまな食品をまんべんなくとることが大切です。食事を抜いたり、まとめ食いしたりはせず、朝食、昼食、夕食の3回ゆっくりよくかんで、腹八分目で食べるよう心がけましょう。また、食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、キノコなど)をとると、食後の血糖値上昇を抑え、血清コレステロールの増加も防ぎ、便通を改善する作用があることが知られています。 高血圧や脂質異常症、腎症などの病気がある場合は、食塩量や脂質、タンパク質の量なども考える必要があるので、医師や栄養士と相談しながら食事療法を行ってください。
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第56版, p.54-57, 南江堂 2014
食事療法の目安
- 栄養配分の目安
- 栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)をバランスよく食べましょう。
炭水化物(パン・そば・ごはん等)は総エネルギー量の50~60percent
タンパク質(魚・肉・卵・とうふ)は標準体重1㎏あたり1.0~1.2g
脂質(ベーコン・マヨネーズ・ドレッシング・バター)は炭水化物、タンパク質の残り - 注意事項
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- 食物繊維の多い野菜、海藻、キノコをとりましょう。
(1日350gを目標) - 薄味を心がけ、食塩の摂取を控えましょう。
(1日10g以内、高血圧ならびに顕性腎症以降の腎症の合併を伴う場合1日6g未満) - アルコールはほどほどに。(1日25g※程度)
※例:缶ビール350mL1本 - 肝疾患や重い合併症などを発症している場合は禁酒。
- 食物繊維の多い野菜、海藻、キノコをとりましょう。
- 参考:日本糖尿病学会 編 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010.南江堂,2010:32-34.より
参考:岩本安彦 監修.専門医が治す!糖尿病.高橋書店, 2007:88-89.
参考:日本糖尿病学会 編・著: 患者さんとその家族のための糖尿病治療の手びき改訂第56版, p.54-55, 南江堂 2014 - エネルギー量の計算
- 摂取エネルギー量の目安=①標準体重×②身体活動量
- ①標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
- ②身体活動量(kcal/kg 標準体重)
=25~30 軽労作(デスクワークが多い職業)
30~35 普通の労作(立ち仕事が多い職業)
35~ 重い労作(力仕事が多い職業) - 日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2014-2015, p.39, 文光堂 2014より